いつも蛭子堂をご利用頂きありがとうございます。
1週間ぶりのお休みですが、夏に向けての包材や材料の展示会があって、朝から出掛けています使えるものがあればいいのになあ・・・
和菓子の命「製餡」についてお話します。
先週話した小豆からどのような工程を経ておいしい餡が出来るのか?プロのテクニックを教えます。
まず、小豆を水洗いしてから1晩水漬けします。この時夏と冬では水温・気温ともに違うので時間と温度に注意します。
翌朝ざるにあけてから豆の倍量の沸騰したお湯の中に入れます、しばらくして豆が全体に浮いてきたら冷水を加え豆を沈めます。この冷水をびっくり水・またはしわのばし水と呼びます。
豆のしわを伸ばすことで、芯まで浸透させ柔らかくするため。
再沸騰したら別の鍋に入れたお湯の中にざるで豆を移し替えます。
この工程を渋抜きといいます。小豆の成分にタンニン・サポニンという苦味を感じるものを抑えたり、あっさりした餡に仕上げたい時には渋抜きの回数を増やします。
店舗によっても違うし、作るお菓子《蒸し饅頭、焼き饅頭・大福・金鍔・最中などなど》によっても回数は変わってきます。
その後、網籠に入れて2時間ほど豆の皮が柔らかくなるまで弱火で煮込みます。
火を消して1時間蒸らします。
鍋に水を加えて煮汁を入れ替えます。これを水さらしと言います。
別鍋に蜜を作っておいて水を切った籠ごと、その鍋に入れて沸騰させます。
消火後、最低3時間以上蜜漬けします。豆の芯まで蜜を浸透させるため!
蜜だけ練窯に入れて煮詰めて頃良いの時に豆を加え、練り上げていきます。
早い段階で豆を加えると皮がつぶれてしまい、商品価値が落ちてしまう。
蛭子堂の菓子では、みこし太鼓、別子一号、あかがね街道、金鍔、柏餅(よもぎ)などで小豆の粒あんが使われていますが、それぞれ配合が違うので甘味や風味などが微妙に違います。